ホットスポットでは世界中で発表された製品やサービスについて、Mintel Trendsチームの見解をお伝えしています。今回の特別編では、アナリストが選ぶ各地域の今年のトップトレンドをお届けします。人気のスキンケア成分を配合したシャンプーやペットホテルなど、今年最も革新的だったグローバルな取り組みをご紹介しています。 ヨーグルトとお菓子 – 中国 Mengniu Chunzhen は、はじけるキャンディー入りのヨーグルトを発売し、楽しい要素を加えました。この「Yummy Yogurt 」は、同ブランドの他の製品と比べて糖分を31％カットし、タンパク質は国家基準で定められた最低量より35％多く含まれています。はじけるキャンディーの他にも、アーモンドやフリーズドライのヨーグルト、角切りのドラゴンフルーツなどの材料が用いられています。保存している間も鮮度が保てるよう、密閉性の高いパッケージを採用しています。 消費者の健康に対する期待値 は進化し続けていますもはやカロリー摂取や砂糖のような「好ましくない」成分を取り除くことが目的ではありません。健康的でおいしく、遊び心のある製品を求めているのです。若年層をターゲットに、プロテインやはじけるキャンディなど、健康や遊び心に貢献する素材を使用しています。また、罪悪感のないおやつとしてヨーグルトの利用率が高いことから、ヨーグルトとおやつの境界を曖昧にし、消費シーンの拡大を目指したブランドです。 ブランドは、消費者に日常生活で前向きな気持ちになれるきっかけを提供することができます。ヨーグルトやヨーグルト飲料を気分の高揚と関連付けるチャンスは広がっています。ブランドは、消費者が最も好む快適な食感である滑らかさ、歯ごたえ、噛み応えなどのユニークで多様な食感を利用して、消費者の感情に訴える消費需要をより満足させることができるでしょう。 美味しいものを食べるという贅沢な体験だけでなく、腸内環境とこころの健康の関連性を強めることで、気分を高めることができます。 Victoria Li – Mintel Trends 中国担当シニアアナリスト お肌のための薬― 日本 matsukiyo LABから、皮膚の治癒を助ける医療用スキンケア成分「ヘパリノイド」を配合した日焼け止めクリームと、ジェル状日焼け止めが発売されました。両製品ともSPF50+ PA++++で、さらにグリチルリチン酸ジカリウムを配合し、刺激や炎症を受けた肌を鎮静化し、キメを整えて使用感を良くする効果があるといいます。日本のドラッグストアは信頼が厚く、豊富な品揃えを誇ることで知られていますが、ドラッグストアの化粧品に医療用成分を配合することで、すでにドラッグストア製品を使いこなし、より強力で効果的なものを求める消費者を刺激することができます。日焼け止めはすでに日常的に使用する必須アイテムとして認識されているため、サンケア製品にイノベーションを起こせば、消費者が既存の習慣に手軽に追加できるため、より高い普及率を期待できます。また、医療グレードの成分を使用することで、研究と革新の度合いを示し、知識のある消費者にとってより魅力的なブランドとなり得るでしょう。マーケットが新型コロナウイルスの規制を緩和し始めると、消費者の社会活動が活発化するため、スキンケアや化粧品に再び注目が集まるようになるでしょう。消費者の注目を集めるために、美容・パーソナルケアブランドは、美容と保護の両方の機能を持つ、より革新的な成分を含めることを考えることができそうです。 Victoria Li – Mintel Trends 中国担当シニアアナリスト 植物性ミルクのためにつくられたコーヒー – オーストラリア オーストラリアのコーヒーブランドVittoriaは、無糖の植物性ミルクのほろ苦さを引き立てるような、より甘みのある新しいブレンドコーヒーを作りました。植物性乳製品産業が成長を続ける中、 plant-based milk drinkers by 物性乳製品愛飲者に特化したコーヒー製品 を作り、アピールするのに適しています。コーヒーを扱う会社としてのルーツに忠実でありながら、製品提供を多様化させています。 新型コロナウイルスによって、消費者の健康に対する意識はますます高まり、その必要性が認識されるようになりました。環境の保護と人間の継続的な生活との関連性は、地球の気温上昇によってますます明白になってきています。乳製品と肉に代わる代替食品産業は、両方の問題に取り組んでおり、今後も消費者に支持され、発展していくことでしょう。 この市場での成功を狙うブランドは、サプライチェーン全体がこのサステナブルかつヘルシーなシナリオを意識し、それを消費者に真摯に伝える方法を見出す必要があるのです。 Joey Khong– Mintel Trends 東南アジア担当アナリスト
