消費者が何を、なぜ求めているのかを探るエキスパートであるミンテルは、本日、消費者行動の今(今後1年間)、今後(1年半以上)、そして未来(5年以上)を軸とした世界の食品、飲料、外食産業における分析やインサイト、ご提案を含む主要トレンドを発表しました。

  • 心に栄養を与える:画期的な食品・飲料製品は、精神や情緒面において幸福感をもたらすソリューションとなり、健康な食習慣の新たな基盤を作ります
  • 品質を再定義する:ブランドは、信頼、品質、そして「必要不可欠」という新しい定義に対応することが求められています。
  • 食で繋がる:食品・飲料ブランドは、他とは違う特別感を得たいという人々のニーズと、似た考えを持つ人々のコミュニティに属したいという欲求とのバランスを取ることができます。

ミンテル 食品・飲料部門 アソシエイト ディレクターであるアレックス・ベケットは、ウェルビーイング(心身の健康)、価値、アイデンティティに関連した消費者行動の変化が、今後の食品・飲料業界における成分配合、パッケージ、マーケティング等に、どのような影響を与えていくのかを論じています。

心に栄養を与える:

2021年以降、食品、飲料、外食サービスのブランド各社には、製品を消費するまで決まった手順(準備から消費するまでに丁寧に手間をかけた一連の手順、例:ドリップコーヒー等)や、食品・飲料の成分配合を通じて、消費者に対してストレス解消に効果のある「一息つく時間」、「余裕」、「やすらぎ」を提供する役割が期待されています。これまでは新型コロナウイルスへの感染防止だけに意識が集中していましたが、その流れが薄れていくにつれて、人々は不健康な食事が引き起こす健康リスクの軽減にこれまで以上に真剣に向き合うようになり、自分が何を食べるかについてより意識的になり、関心を持つようになります。また、今後消費者はテクノロジー技術を通して、本当に体に良いものであるという確証や、何を選ぶべきかの判断材料を求めていくようになるでしょう。

新型コロナウィルスの世界的大流行により、消費者はウェルビーイング(心身の健康)が極めて重要なテーマであると認識するようになりました。今後数年のうちに、消費者は精神面や情緒的健康にプラスとなる製品やサービスをより求めるようになると予想されます。

機能性を重視して作られた製品や、感情に訴える多感覚経験を提供する製品は、多くの精神や情緒的健康を高める製品群の中で、ブランド各社がより大きなシェアを獲得するのに役立つでしょう。革新的で先進的な食品・飲料の開発が、日々の食事と精神的、情緒的安定との繋がりを学ぶきっかけとなり、これらが心理学に基づいた健康的な食生活への新たなアプローチに繋がると考えられます。

品質を再定義する

消費者は、特別な「ホームテイメント」(ホームとエンターテイメントを掛け合わせた造語)の機会に、手が届く価格帯で、且つ高級感のある食事を求めるようになると予想されます。また、ブランドや小売業者は倫理的な取り組みや環境問題への意思表示をしながら適切な価格の製品を発売し、消費者は非接触型の買い物ができるサービスへの期待を高め、その流れが体験型サービスにも波及すると考えられます。今後5年間とそれ以降に亘り、健康的な食品をオンラインやオフライン、非接触などのシームレスな形態で、あらゆる人が公平にこれらの製品を購入できる仕組みに投資するブランドや企業が商機を掴んでいくでしょう。

価値に関して言うと、パンデミックの衝撃を受けた消費者は、「本当に必要不可欠なものは何か」ということを改めて考えるようになっています。消費者は現在、必要最小限の消費にとどめ、購入したものからは最大の利益を得ることに重きを置いています。

型コロナウィルス後、市場が元に戻ると、日常がこれまでよりも忙しくなるであろうことを鑑み、消費者は時間が節約でき、衛生的で、利便性の高い食品、飲料、外食サービスを期待するようになると予想されます。人々が品質に対して新たな基準を設けるようになったのを受けて、ブランドは今後数年のうちに、あらゆる社会経済的レベルの買い物客がeコマースにアクセスできるような仕組みづくり、という新たな課題にも向き合うことになるでしょう。また、製品の価格に反映される材料費やプロセス、人件費についての詳細を消費者に提供し、製品価格の透明性を高めることもできるでしょう。支払うお金に対して最高の価値を得ることを重視する新たな消費者意識が、価格の透明性を高める動機付けとなるでしょう。

食で繋がる:

今後1年間、食品・飲料・外食サービスのブランド各社は、そのブランドを自己表現のツールとして使い、人々がコロナ前の生活様式に戻れるよう推進していく動きをみせていくでしょう。ソーシャルコマースは、ブランドがコミュニティ構築のために投資する新たな対象として発展すると見込まれています。その結果、ブランドコミュニティにおける、自社のリソースや評判、リーチを活用し、消費者が自国の重要なテーマに対して行動を起こすことをサポートすることが可能になります

新型コロナウィルスによって、コミュニティに対する消費者の理解が深まりました。消費者は、他者との繋がりや支え合うことの重要性を認識し、同じ目的を持ったコミュニティを形成して、再び社会に溶け込み、仲間との連帯感を求めるようになるでしょう。食品、飲料、外食のブランド各社は、その立場を利用して、共通の関心事や個人のアイデンティティを通じて、個人とコミュニティを結びつけ、また個々のブランドファン同士を積極的に繋いでいく事が出来ます。ブランドを共通項として人と人とが繋がる事で、コミュニティは社会的繋がりを拡大し、集団としての変化を社会にもたらすことが出来ます。

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