消費者が「何を」「なぜ」求めているかを探すエキスパートであるMintelはAPAC(アジア太平洋地域)における食品・飲料業界の最新の市場調査、製品イノベーションのインサイト、消費者動向をまとめた「2021年アジア太平洋における食品・飲料業界の動向」を発表しました。 

新型コロナウイルスの流行により、飲食の消費動向はフードサービスやケータリングから小売、Eコマースへと大きく変わりました。ライフスタイルにおいても、在宅ワークへのシフトにより、家庭で消費される食品や飲料のクオリティが求められるようになりました。新型コロナウイルスによって変化した消費者動向や関心の変化、また業界の姿を形づくるトレンドやブランドにとっての商機をMintel の食品・飲料業界のアナリストチームが最新調査を元に示唆をご提供いたします。

Jolene Ng   Mintelシニアグローバルフード&ドリンクアナリストによるコメント

『2021年アジア太平洋における食品・飲料業界の動向』では、私たちMintelのインサイトが今日の食品・飲料マーケットをどのように形成し、業界を比類のないイノベーションへと導いているかをご紹介しています。Mintelフード&ドリンクは消費者が「何を」「なぜ」求めているかを理解し、企業がより良い戦略的意思決定を可能にするために、未来を見据えたインサイトをご提供いたします。

Mintel『2021年アジア太平洋における食品・飲料業界の動向』詳細内容:

乳糖不耐症・消化にまつわる関心の高まり

アジア・太平洋の消費者は、乳製品の栄養価の高さを念頭に置き、栄養面におけるニーズを満たしながら乳製品よりも消化しやすい食品を求めています。 

Mintelのデータによるとインドの消費者の25%が乳糖を含まない乳飲料の消費を奨励されており、タイでは消費者の85%が乳糖ゼロなどの消化に優しい 乳製品に関心を抱いているといいます。

ブランドは、乳糖を含まない乳製品ならではの健康上の利点(消化に良いなど)を強調することで、このカテゴリーの力強い成長にますます重要な役割を果たすでしょう。

食品と飲料がファストファッションに追随

デジタル化された小売業やコミュニケーションにより、食品や飲料のイノベーションはファストファッションさながらの領域へと目覚ましい速さで変化しています。競争が激化するオンライン業態を勝ち抜いていく新たな仕掛けを、食品・飲料業界に先駆けてファッション業界が提示しています。Mintel のデータでは中国の消費者のうち62%が新たな味付けや食品を試すのに前向きな姿勢を示しています。

社会も小売業もデジタル化される中、企業にとっての商品開発のゴールとは最新のファッショントレンドに追随、調和することでしょう。見た目の美しさや目新しさ、欲しくてたまらなくさせる魅力といった要因こそが、より多くの消費者にブランドとの強い関連性を感じさせ、販売促進ができるでしょう。

さらに、ストレス疲れしている消費者は、贅沢なデザートや飲み物でストレス解消や安らぎを得る傾向にあります。特にアジアではパンデミックを境に価格だけではなく価値の優先順位を見直すようになりました。こうした消費者は、彼らの口に合い、質も良く、健康への配慮もなされた食品・飲料を買うことに価値を見出しています。