近年、パレオダイエットやケトダイエットのような、穀物を避けて低炭水化物を心がける食習慣の一環として、グルテンフリーの製品への関心が健康志向の消費者の間で高まっています。こうした食習慣で、グルテンフリー製品の商機はセリアック病やグルテン不耐症の消費者だけではなく、より広い市場へと広まりつつあります。

グルテンフリーの食品や飲料の需要が高まるとともに 食品研究者はグルテンの代替品となるより良い素材をナッツ類、種子、豆類、フルーツ、野菜などを原料とした粉を用いて探し求めています。

さらに、新たな代替品を開発するだけでなく、グルテンフリー製品の栄養および官能特性を改善することにも注力しており、最近の特許活動がこれを裏付けています。

  1. グルテンフリーの粉類の新たな原材料

以前はグルテンフリーの選択肢はほとんどありませんでした。しかしながら近年の科学技術の発展により、元々グルテンを含んでいない様々な食材を用いてグルテンの代替品を生産できるようになりました。最近発売された製品を見ると、様々な選択肢があることが分かります。

キャッサバ、アーモンド、亜麻仁を原料とした粉

出典: ミンテルGNPD

Soozyによるグレインフリーオリジナルベーグルは、様々な素材の粉をブレンドし(キャッサバ、アーモンド、亜麻仁) タピオカでんぷんとサイリウムハスク(インドオオバコの種子の外皮)を使い、グルテン、乳製品、増粘剤、大豆、卵、ピーナッツを含まず、原料はどれも遺伝子組み換え製品ではありません。さらに小麦不使用のため、小麦によく用いられる除草剤グリホサートの残留農薬の心配もありません。(米国)

玄米、馬鈴薯でんぷん、とうもろこし粉

出典: Mintel GNPD

Gü Free From から登場した

ストロベリー&ルバーブチーズケーキ(ヴィーガン)は玄米、馬鈴薯でんぷん、とうもろこし粉をブレンドした粉を使い、いちごとルバーブにバニラココナッツミルククリームを合わせています。 (ドイツ)

  1. 栄養価の強化

これまで、グルテンフリー食品における栄養価がたびたび議論されてきました。グルテンフリー食材はグルテン含有の食品よりも栄養価が劣るとの研究結果が出ています。グルテンフリーダイエットが栄養失調補引き起こし、ひいては健康被害を及ぼしかねないのです。昨今発売されたグルテンフリー食品には健康を意識した食材が加わった製品が登場しています。

体に嬉しい腸活クッキー

出典: Mintel GNPD

Nolaポストバイオティクス乳酸菌配合オートミールグルテンフリークッキーは、赤米、玄米、オーツ麦、チアシード、亜麻仁にパームシュガーを加えています。 消化器官の健やかさを助ける効果がうたわれています (インドネシア)。

微量栄養素配合のグルテンフリー粉

出典: Mintel GNPD

Ceres のブラジルヤム粉は小麦粉の代替となる粉で、コレステロールと血圧を下げ、免疫を上げる効果のあるβカロテンや鉄分、マグネシウム、ビタミンB群を配合しています。

英国では10人に4人の消費者が 英国では10人に4人以上の消費者が、アレルギーや不耐症に配慮して特定の原材料を排除した食品や飲料を取り入れており、(例:グルテンフリーパンなど)また、そのような料理を家庭でも作ることが多いため、小麦粉の代替となる商品が、家庭でもより一般的に使われるようになる可能性を秘めています。 

  1. 官能特性に忠実に

グルテンフリー食品で代替品を作るにあたり、食感や香りといた官能特性を忠実に再現することが最も大きな課題でした。昨今の新たなグルテンフリーの代替食品の開発では、様々な材料を活用して官能特性を再現することに焦点が置かれています。

グルテンフリーマフィンミックス

出典: Mintel GNPD

Trader Joeのプロテインメープルマフィンミックスはキャッサバ粉、ホエイプロテインアイソレー、タピオカでんぷんで作られています。高タンパクながらグルテンフリー、香料は天然のものを使用しています(米国)。

ココナッツ粉で焼き菓子の風味と食感がさらに魅力的に

Inari‘のオーガニックココナッツ粉は、生の新鮮なココナッツを乾燥させ、脱脂して粉状に細かく砕いたものです。 グルテンフリーかつ豊富な食物繊維とココナッツならではの風味が焼き菓子の美味しさを引き立てます(カナダ)。