日本のスタートアップ企業がインターネットに接続して利用する「スマート」フェイスマスクを製作した。これは着用者の声の音量を増幅させるほか、翻訳やBluetooth経由でスマートフォンと連携できる機能を搭載している。

ニュース概要

Donut Roboticsが製作したインターネット接続型フェイスマスクは、メッセージの伝達と複数言語への翻訳が可能になっている。

スマートマスクはプラスチック素材でできており、Bluetooth経由でユーザーのスマートフォンやタブレットと連携できる。これによって、着用者が話す内容をテキストメッセージに置き換えるほか、電話をかけたり声の音量を増幅させたりすることが可能になる。

この製品が重要とされる理由

Donut Roboticsによるこのマスクの考案は、新型コロナウイルス感染症によって変化を遂げた社会の形に合う製品を作ろうとするところから始まった。多くの消費者にとって、フェイスマスクは欠かせない製品となり、ついには第2の肌となった。Bluetoothに接続可能なスマートマスクを使えば、消費者はマスクという物理的な障壁を外さなくても円滑なコミュニケーションを維持でき、むしろ積極的にマスクを着用する動機付けにもなる。つまりDonut Roboticsの製品は、コミュニケーションを改善できるのに加え、公共の場におけるユーザーの安全性も高めているのである。

25〜34歳の日本人消費者の55%が、暮らしを楽にしてくれるものを常に探していると回答している。

35か国の市場におけるミンテルの消費者調査研究からの引用。

出典:楽天インサイト/ミンテル(2019年12月)、対象:25〜34歳のインターネットユーザー195人

最近の動向

涼マスク:日本の湿度の高い夏でも安全と快適さを保てるよう、The Ideal Companyは軽量で呼吸の楽なマスクを開発した。

発汗を賢く利用する方法:Gxスマートパッチ(Gx smart patch)は本来アスリートの汗に含まれる成分を分析するために開発されたものだが、新型コロナウイルス感染症の症例における経過観察のために医療情報を提供できる可能性もある。

フェイスマスクの顔認証:新しい顔認証技術により、ウイルス感染予防のフェイスマスクを着用したままでもスマートフォンのロック解除ができるようになるだろう。

今後の展開

新技術は常に、多くの消費者を魅了することが期待できる。アーリーアダプター(早期に新しいものを取り入れる人)は、自分の暮らしをもっと豊かで楽にしてくれると確信している商品に積極的に投資する傾向が強い。東京で新型コロナウイルス感染症の症例が増えている今の日本の状況を考えると、近いうちにフェイスマスクの需要が弱まっていく可能性は低い。インターネット接続型スマートマスクの開発に続く次なるステップは、健康にも良い(夏向けに冷却機能のあるマスクなど)ハイテク製品を作ることだ。さらに、Donut Roboticsは多言語サポートのさらなる充実に加え、読唇術を使ってコミュニケーションをとっている失聴者、難聴者に向けたマスクの改良にも投資できるだろう。