エイジングをポジティブに受け止める、「プロエイジング」「ウェルエイジング」というワードが生まれているものの、多くの消費者たちは多角的なエイジングサインを解決する商品スキンケアソリューションを求めています。いまだにエイジングケアに対する需要は高く、 この分野の新製品開発(NPD)とブランドコミュニケーションは、ビューティー業界の多様性と透明性重視の傾向に対応しながら、今後も進化し続けるでしょう。 プロエイジングへのシフトは、加齢は悪だという考え方に賛同しない消費者の共感を得るものです。しかし、「プロエイジング」という言葉は明確さに欠ける場合があり、消費者が「スキンケア製品のうたい文句は本当に信頼できるものか」という科学的根拠を求める傾向、すなわちビューティー業界における透明性という観点からは相反しています。今回Mintelは、スキンケアブランドが「ウェルエイジング」という概念を包括的にアプローチし、販売促進するための六つの戦略を解説します。 1.スキンケアの効果を最大限に引き出すツールやデバイスの開発 消費者の間では高性能なスキンケア商品に投資するなど、美容機器/デバイスへの関心と利用が高まっています。クリームや乳液とデバイスを組み合わせることで、エイジングケアへのより高い効果感を得ることができる。なかなか手を出しづらいという障壁も考慮し、美容機器による肌へのダメージなどを心配する消費者に対しては、実際のユーザーレビューを読んでもらうことで安心感を与えられます。 出典: Instagram @charlottetilbury Charlotte Tilbury のCRYO リカバリーマスクは、フェイスマスクとアイセラムが合体したもので、どちらも「驚くべきクーリング効果を発揮し、マスクとセラムがともに肌を明るく滑らかにし、若々しく輝く印象の肌へと導く」ことをうたっています。 2.カテゴリーを超えたイノベーションを追求する 利便性とサスティナビリティの観点から、消費者は使用する美容製品の数を減らす傾向にあるため、アンチエイジング効果を兼ね備えたカラーコスメは魅力的でしょう。 出典: Instagram @westmanatelier Westman Atelierのバイタルスキンファンデーションスティックは、乾燥を防ぎ、しなやかさを取り戻すスクワランと、うるおいとハリを保つベリーフラックスビタが配合されています。 3.革新的なスキンケアフォーミュレーションで消費者を惹きつける さまざまな商品のひしめくカテゴリーで際立ち、新たなフォーマットとアプリケーション技術で消費者を魅了することができます。 出典: 資生堂 資生堂ビオパフォーマンス セカンドスキンは、紙おしろいと2種のジェルから成り、化粧の上から塗るように設計されています。ジェルが肌に薄く柔軟な膜を作り、圧縮効果で目の下のたるみ(目袋)を隠します。 4.摂取可能型ビューティーアイテムの台頭 パンデミック時、消費者はスキンケアを積極的に追求し、美容に役立つビタミン、ミネラル、サプリメント(VMS)製品への関心を高めるようになりました。ブランドは新製品のデータベースを増やして対応していますが、エイジングケアをうたったVMSカテゴリーは停滞したままです。しかし、特許分析によれば、エイジングサインを悪化させる慢性的な炎症に着目したエイジングケアがVMSの今後のトレンドを予期させる新分野の一つであると示唆されています。そのため、スキンケアブランドは、肌の健康を最大限に保つための外用製品と摂取可能な製品を組み合わせたセットを作り、これらに栄養、食事、ライフスタイルのアドバイスを加えて、エイジングケアへの包括的なアプローチを促進することが可能です。 出典: Moon Juice Moon Juice コラーゲンスタックシリーズは、同ブランドのサプリメント「コラーゲンプロテクト」と美容液「プランプジェリー」を採用し、ヒアルロン酸、シロキクラゲなどの成分でコラーゲンを保ち、内側と外側から潤いを与えてくれます。 5.新素材を活用し、より幅広い悩みに対応する シミ、色素沈着、乾燥、くすみなど、シワ以外の年齢肌の悩みにも対応するため、成分トレンドを常に意識することが大切です。 出典: Glow Recipe Glow Recipeのグアバ ビタミンCダークスポットセラムは、トラネキサム酸に加え、5種類のリポカプセルビタミンCを配合し、時間をかけてシミや赤みを目立ちにくくさせます。 6.エイジングから来るホルモンバランスの悩みを持つ女性をサポート Mintelのフェイシャルスキンケアの未来:2021では、年齢に応じて肌にさまざまな影響を与えるホルモンバランスの変動に対応する商品のビジネスチャンスについて解説しています。 出典: i-On Skincare 更年期特有の肌の悩みに対応、かつ、エイジングケアもできる製品の開発にも可能性があるでしょう。例えば、I-On by Dr. Xi エイジディスラプティングスキンクリームは、閉経後の女性のために開発され、皮膚中の余計な鉄分を減らす特許技術を備えています。 出典: L’Oréal さらに一歩進んで、ホルモン追跡技術に投資するという方法もあります。ロレアルは最近、肌の健康と月経周期の関係についての知識を深めるため、Clueとの新たなパートナーシップを発表しました。