・食品/飲料における世界のプラントベース製品の発売割合は、過去10年間で167%成長
・プラントベース製品の成長の裏側には、増加するフレキシタリアンが
・フレキシタリアンをターゲットにした製品が登場

食品/飲料における世界のプラントベース製品の発売割合は、過去10年間で167%成長

欧米諸国を中心に広まっている食品・飲料のプラントベース化の動きは、新型コロナの発生も後押しとなり、今後もますます成長する可能性がある。ミンテルのグローバル新製品データベース(GNPD)によると、世界のプラントベース製品の発売割合は過去10年間で167%伸びている。成長するプラントベース市場を牽引しているカテゴリーはプラントベースドリンクとプラントベースミートで、合わせてプラントベース製品の8割を占めている。

プラントベース製品が成長する一方で、動物性製品から消費者は離れる傾向が見られる。欧米諸国では牛乳離れが進み、1970年代半ばと比較すると、アメリカでは40%、イギリスでは50%も牛乳の消費量が減少した。また、アメリカ・イギリス・カナダでは約3割(2019年12月)の消費者が常に、もしくはほどんどの場合、肉を食べる機会を減らしている。

プラントベース製品の成長の裏側には、増加するフレキシタリアンが

このようなプラントベース化の動きの背景には、フレキシタリアンの増加がある。フレキシタリアンとは、野菜・果物・穀物など植物性食品を中心とした食生活を送るが、肉・乳製品・魚など動物性食品も完全には排除していない人々のことを指す。フレキシタリアンの割合は、アメリカ:21%(2019年2月)、イギリス:7%(2019年11月)、カナダ:25%で(2019年3月)で、年々増加傾向にある。欧米諸国の消費者が動物性食品の消費を減らし、フレキシタリアンを選択する理由としては、健康・持続可能性・アニマルウェルフェアの3つが挙げられる。

まず健康の観点からいうと、赤肉や加工肉を食べ続けることで、発がんのリスク等、健康に様々な悪影響があることが研究機関によって度々指摘されたことを受けて、長期的な健康維持の観点から肉の消費を減らす消費者が増えている。持続可能性という観点では、肉や乳製品の生産が引き起こしている気候変動や環境破壊/汚染問題対策に個人レベルで貢献できる方法として動物性食品を控える動きが広がっている。そして、活動団体の取り組みやメディアが話題に取り上げることによって注目を浴びたアニマルウェルフェアは、消費者が動物性食品を食べることの是非を考えるきっかけを与えている。

フレキシタリアンのドライバーはベジタリアン・ヴィーガンのドライバーと被る部分もあるが、フレキシタリアンは食生活に厳格なルールを設けておらず、名前の通り柔軟な食生活を送っているという点がベジタリアン・ヴィーガンと異なる。この流れの中、新型コロナが発生したことで、その発生源である肉の安全性に対する不安が高まり、プラントベース移行への動きがさらに加速している。

フレキシタリアンをターゲットにした製品が登場

増加するフレキシタリアンに企業は着目し、フレキシタリアンをターゲットにしたプラントベース製品が発売されている。

プラントベースミートの企業は、肉好きの消費者も満足できるような、本物の肉に似せた商品を目指している。アメリカの消費者の54%(2019年2月)、カナダの消費者の63%(2019年3月)が「プラントベースミートは肉の味を忠実に再現すべきだ」と述べているように、肉の再現性はプラントベースミートを選ぶ際に重視される点の1つである。

このように再現性を突き詰める流れの中で、イノベーション商品も出てきている。それが動物性と植物性の素材をブレンドし、互いに味や栄養素を補っているようなハイブリッド製品である。プラントベースドリンクと牛乳をブレンドした良いとこ取りの製品へ興味を持つ消費者は、アメリカで45%(2020年3月)、イギリスで35%(2020年2月)おり、フレキシタリアンに限らず、幅広い層のプラントベース製品のトライアルの入り口にもなりえる。

 

プラントベース市場は日本でも広まっており、2020年は10年前と比較して5倍の市場規模になるという予測もある。欧米諸国と異なり、フレキシタリアンが浸透していない日本では、日本人消費者がプラントベース製品を食生活に取り入れることでどのようなメリットがあるかを示し、プラントベース製品の魅力を伝える必要があるだろう。