アジア太平洋地域で植物性の食習慣の人気がますます高まる中、ヴィーガン(完全菜食主義)のライフスタイルへと消費者を後押しする理由も進化してきている。

自分の価値観に合い、他の製品とは一線を画したヴィーガン製品の開発を今、消費者は企業に期待している。世界ヴィーガン・デー(11月1日)を目前に控え、私たちはミンテルの世界新商品情報データベース(GNPD)を活用して、アジア太平洋地域発の最新のヴィーガン製品にスポットを当て、一部をご紹介致します。

ヴィーガンフードの新しい魅力を再発見:一風変わった食材を使用したヴィーガンフード

タイでは、消費者の大半が動物性乳成分を含まない乳製品のバリエーションが増えることを期待しているため、企業にとっては、自社製品に使用しているヴィーガン向けの代替品を用いて、新たな製品を生み出す好機を迎えている。

 

スナップエンドウをベースにした乳製品(マレーシア)

snappea

Snappea、牛乳の代替品となるとスナップエンドウ由来のヴィーガン向けミルク

(マレーシア)

Snappea, a vegan-friendly alternative to milk (Malaysia)

 

出典:ミンテルGNPD

 

これまで植物性乳製品の原料といえば、大豆やナッツミルクが主流であった。そのため、スナップエンドウを主なタンパク源として採用したこの製品は、植物性乳製品のカテゴリーの中でも目新しい存在だ。スナップエンドウ由来の乳製品は、大豆やグルテンにアレルギーのある人に適している。また、スナップエンドウはその他の植物由来タンパク源を栽培するよりも少ない水と肥料で育てることができるという利点もある。

 

消費者は、主に健康や持続可能性を求めて植物性の食生活を送っているため、企業はなじみのある材料から代替品になるものを探し、導入するチャンスを迎えている。

 

オーガニック・レッド・ジャックフルーツ・ミート(オーストラリア)

tender table

ラスト・オーガニック – テンダーテーブル (オーストラリア)

Rasto Organic – The Tender table (Australia)

 

出典:ミンテルGNPD

 

The Tender Tableは、肉の代用品としてジャックフルーツを使用した製品。ココナッツミルクとスパイスに漬け込んだジャックフルーツは、バーガーやタコスの具に適している。熟す前のジャックフルーツの果肉は、一度調理すると動物の肉に似た食感になると言われている。ミンテルのGNPDによると、アジア太平洋地域で肉の代替品としてジャックフルーツを使用した製品はほとんど発売されていない。このトロピカルフルーツは、南アジアや東南アジアでよく見られるものだが、加工食品、特に調理済み食品の肉の代替品としてのジャックフルーツの可能性は、まだまだ開拓の余地があると言える。

 

ヴィーガン料理を再び盛り上げよ

 

タイの消費者の10人のうちほぼ7人が、動物性食品と同じくらい魅力的なタンパク質の代替製品があってほしい考えている今、ヴィーガンブランドは各社の製品のレベルアップを図る時期に来ている。

 

フェアリー・ウィング・ヴィーガン・チョコレート(オーストラリア)

hey tiger

ヘイ・タイガー – フェアリー・ウィング・ヴィーガン・チョコレート

Hey Tiger – Fairy Wings Vegan Chocolate

 

 

出典:ミンテル GNPD

 

このヴィーガン・ミルクチョコレート・バーは、オーストラリアのアーティスト、クレア・リッチーとのコラボレーションによって誕生した。彼女は一風変わったカラフルなパッケージをデザインしている。フェアリーブレッドとは、スライスしたパンにバターを塗り、カラフルな砂糖をまぶしたもので、オーストラリアやニュージーランドのパーティーではおなじみの、子供たちに人気のおやつだ。子供の頃の懐かしいおやつが洗練されたお菓子にグレードアップされており、今人類が直面している前例のないコロナ禍においては、子供の頃の記憶を呼び起こしてくれて、同時に、安心感も感じさせてくれる製品である。

 

アルチザン・カシューチーズ(ニュージーランド)

savour

セイバー – アルチザン&カルチャード・アッシュ・デイリーフリー・カシューチーズ(ニュージーランド)

Savour – Artisan and Cultured Ash Dairy Free Cashew Cheese (New Zealand)

 

出典:ミンテル GNPD

 

植物性由来の素材をベースにした食事は、制限が多くて退屈だと誤解されがちだが、Savourのアルチザン・チーズは、植物性由来の食事も楽しく魅力的なものだといい意味で期待を裏切る商品だ。このチーズは完全にオーガニックの植物をベースに作られており、発酵させたカシューナッツが使用されている。活性炭が層になり、黒みがかった印象的なスモークチェダーチーズに仕上がっている。ミンテル・トレンドの「Sense of the Intense」では経験重視の消費者が多く対象となっており、これらの消費者はリラクゼーションを求めて、あるいは手軽な楽しみを求めて、または、自分の感覚を刺激する製品を求めているが、この商品はこれらの消費者ニーズを満たしてくれる商品だ。