~QRコードからお墓にアクセス! デジタル時代のシニアライフ最前線~

ロンドン本社を含め13か国にオフィスを構える市場調査会社「Mintel Group」の日本法人であり、美容やライフスタイル、食品・飲料分野におけるグローバル調査に強みを持つ、株式会社ミンテルジャパン(東京都千代田区)は、今月発刊したミンテルジャパンレポート「シニアのライフスタイル 2024年」の中で、日本における高齢化の現状と終活トレンドについて明らかにしました。

※ミンテルは美容やライフスタイル、食品・飲料分野における消費者調査に強みを持ち、 日本市場向けにミンテルジャパンレポートを発刊している。

 

 

近年、医療技術の進歩や食生活の改善により、世界的に高齢化が進行しています。特に高齢化の進行が深刻な日本では、今年2024年に50歳以上の人口が50%を超える史上初の国になると言われています。こうした中、一人暮らし高齢者の増加と生活支援が社会課題となっており、病院や施設に入る際の手続きのサポート、葬儀や遺品整理の手続き支援など、政府は新たな支援制度を検討しています。さらに、生前の健康なうちに相続や医療・介護方針を決めておく「終活」の認知も拡大し、老後への備えに対する意識は高まっています。

また、「高齢者はデジタルが苦手」という固定概念を覆すように、日常の生活シーンで高齢者によるデジタル機器やテクノロジーの利用も進んでいます。近年、シニア世代のスマホ所有率は、世界でも9割近くとなり、デジタル化の波が到来しつつあります。

終活市場においてもデジタル化は進展しており、スマートフォン内のデータを「デジタル遺品」として処理するサービスや、QRコードからアクセスできる 「永久デジタル墓」 など、新たなサービスも登場しています。高齢化とデジタル化に伴い、「デジタル終活」はこれまで以上に重要性を増していくことでしょう。

本レポートでは、シニア世代の生活に関する世界的なトレンドや、国内外の経済状況から消費者が何を求めているのかについて、記載しています。

ミンテルジャパンレポートについて詳しくはこちら:https://japan.mintel.com/nihon-repoto

 

リリースのトピックス

1. 2024年は史上初のフィフティーフィフティー時代

  その最たる国は日本だった?世界で急速に進行する高齢化

 

2.日本では、40歳以上の約7割が終活準備の重要性を感じていた

  終活への意識は、日本だけでなく世界でも加速?

 

3.遺書やお墓にもデジタルの波到来?

  「デジタル終活」がトレンドに

 

※本リリースの調査結果をご利用いただく際には、必ず【ミンテルジャパンレポート 『シニアのライフスタイル 2024年』より】とご明記ください。

2024年は史上初のフィフティーフィフティー時代

その最たる国は日本だった?世界で急速に進行する高齢化

高齢化が急速に進行する日本では、高齢者増加に関する問題が社会課題となっています。内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、日本の65歳以上の人口は2045年頃にピークとなる約3,945万人に達し、その後は減少に転じつつも、2070年に65歳以上の人口は総人口の38.7%に達すると予測されています。さらに、2024年には1971-74年頃生まれの団塊ジュニア世代が全て50代を迎えることで、50歳以上の人口が5割を超える史上初の国となると言われています。こうした社会背景から、病院や施設に入る際の手続きや、葬儀、遺品整理など、高齢化社会に対する新たな支援制度も検討されているようです。

また、生前の健康なうちに相続や医療・介護方針を決めておく「終活」の認知が急速に拡大し、老後への備えに対する意識も高まっていることが予想されます。

出典: 内閣府「令和5年版高齢社会白書  https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html

ミンテルジャパンレポート 『シニアのライフスタイル 2024年』に掲載

 

日本では、40歳以上の約7割が終活準備の重要性を感じていた

終活への意識は、日本だけでなく世界でも加速?

ミンテルが2024年2月に実施した「終活の準備」に関する調査では、40歳以上の男性で6割以上、女性の場合は8割以上が「終活を準備することは大切だ」と回答しました。人生を充実させることと同様に、終活の準備に対しても重要性が高いことが推測できます。また、世帯年収ごとに見ても、年収300万円未満から1000万円以上まで、およそ8割の消費者が終活の準備は重要と回答していることから、終活への関心は経済力に関わらず、多くの消費者の関心を集めていることが明らかになりました。

 

出典:ミンテルジャパンレポート 『シニアのライフスタイル 2024年』

調査対象:日本:40歳以上のインターネットユーザー1,800人

楽天インサイト/Mintel、2024年2月

https://data.mintel.com/databook/shinia-no-raifusutairu-nippon-2024-nen/question/Q18Net/group/8?country=13&d=gender_and_age_(5_groups)&presentation=graphs&Q18Net_off=1&Q18Net_off=2#Q18Net

 

また、アメリカやイギリスなどの消費者を対象とした「エステートプランニング(生前に各種の委任状や遺言などの書類を準備すること)」についての調査では、アメリカの消費者で55歳以上の55%が、「葬儀費用を賄うために個人保険に加入した」と回答し、65歳以上の73%が、「家族は自分の重要な書類の保管場所を知っている」と回答したことから、世界的にも終活への意識が高まっていることが明らかになりました。また、イギリスの消費者65歳以上の35%が、「(従来の葬儀ではなく)お別れ会が好ましい」と回答し、終活への意識が高いことが分かります。

出典:ミンテルジャパンレポート 『シニアのライフスタイル 2024年』

調査対象:米国:個人保険に加入している18歳以上のインターネットユーザー748人、米国:65歳以 上のインターネットユーザー560人、英国:18歳以上のインターネットユーザー1,941人

Kantar Profiles/Mintel、2023年4月、Kantar Profiles/Mintel、2022年2月、Kantar Profiles/

米国の調査を含むレポート:https://clients.mintel.com/content/report/life-insurance-us-2023

英国の調査を含むレポート:https://clients.mintel.com/content/report/funeral-planning-uk-2023

 

遺書やお墓にもデジタルの波到来?

「デジタル終活」がトレンドに

各国の65歳以上の消費者のスマートフォン所有率は90%前後に達し、スマートフォンの所有率は現役世代と大差は見受けられないことがわかりました。シニア世代の大半がスマホを所有する中、シニア世代の日常生活もデジタル機器を使った生活に適応しつつあります。ミンテルの調査では、65歳以上のアメリカの消費者の59%がストリーミング動画を利用し、巨大IT企業が数多く登場している中国では、55-65歳の消費者の70%以上が、オンライン決済や、QRコードで公共交通機関を利用したと回答しています。

出典:ミンテルジャパンレポート 『シニアのライフスタイル 2024年』

調査対象: 英国、スウェーデン、デンマーク:16歳以上のインターネットユーザー1,000人

米国、日本:18歳以上のインターネットユーザー1,000人

出典: Kantar Profiles/Mintel、2024年3月

出典:ミンテルジャパンレポート 『シニアのライフスタイル 2024年』

調査対象: 米国:18歳以上のインターネットユーザー2,000人、中国:スマートフォンを所有する55-65歳のインターネットユーザー985人、55-65歳のインターネットユーザー1,000人

出典: 米国:Kantar Profiles/Mintel、2024年5月、中国:KuRunData/Mintel、2022年3月https://data.mintel.com/databook/1105583/question/Q9?country=7&d=age&presentation=graphs&Q9_off=0&Q9_off=1&Q9_off=3&Q9_off=4&Q9_off=5&Q9_off=6&Q9_off=7&Q9_off=8&Q9_off=9&Q9_off=10#Q9

 

また、40歳以上の日本人男女を対象に行った調査では、60歳以上の世代は若い世代よりも「最新の機能を備えた製品」の広告に対して高い関心を寄せていることが明らかになりました。一般的に、デジタル機器やガジェット製品に対して男性はより関心を持ちやすい傾向にありますが、シニア層でも同様に男性の方が「最新の機能を備えた製品」に興味を惹かれる人が多いことがわかります。

出典:ミンテルジャパンレポート 『シニアのライフスタイル 2024年』

調査対象: 40歳以上のインターネットユーザー1,800人

楽天インサイト/Mintel、2024年2月

https://data.mintel.com/databook/shinia-no-raifusutairu-nippon-2024-nen/question/Q16?country=13&d=gender_and_age_(5_groups)&presentation=graphs&Q16_off=0&Q16_off=1&Q16_off=2&Q16_off=3&Q16_off=5&Q16_off=6&Q16_off=7&Q16_off=8&Q16_off=9&Q16_off=10&significance=show#Q16

 

近年買い物や資産運用、SNSや写真など、生活に関わるほとんどのデータがスマートフォンに蓄積されています。日本でもスマートフォンやパソコン内のデータやパスワードなどの「デジタル遺品」を相続の有無によって分類し、パスワードやアカウント情報をエンディングノートなどに記録するなどの「デジタル終活」が重要性を増しています。スマートフォンの所有者が死亡した場合、こうした情報へのアクセスや管理が難しくなり、 様々なトラブルの原因となっていることから、関連サービスも急速に普及しています。デジタルで遺言などを残すことができる終活支援サービス「lastmessage for eo」を提供するオプテージ(大阪府)は、IDやパスワードを自身の死後に削除できる機能も展開しています。また、核家族化や、都市部への人口流出によって先祖代々の墓の管理・維持が課題となっている中で、QRコードからアクセスできる「永久デジタル墓」として、個人との思い出をデジタルで永久保存するサービスも登場しています。

アメリカでは、デジタル遺品は財産として「Fiduciary Access to Digital Assets Act(FADAA)、デジタル資産への信認義務者のアクセスに関する統一州法」で法的に規定されていますが、今後日本でもデジタル遺品に関する法整備を求める声が高まることが予想されます。

 

■ミンテル ジャパンレポートについて

新製品開発のヒントになるグローバルトレンドと日本におけるその意味について理解を促し、日本市場における商機を探るレポートシリーズ。「美容・化粧品」、「ライフスタイル」、「食品・飲料」分野のレポートをサブスクリプション方式でご提供しています。グローバルと日本、双方の視点でトレンドを捉えることが可能です。

 

■ミンテル 世界新商品データベース(GNPD)について

世界86ヵ国の日用消費財の新商品を、原料や訴求内容から検索することができるデータベースです。世界各国に配置されたミンテルの調査員が、日々新商品の収集を行うことで、毎月約4万点の商品パッケージ情報をデータベース化し、GNPDを構築しています。商品のあらゆる情報を掲載しているため、様々な視点から世界の製品トレンド分析を行うことが可能です。

 

■市場調査会社ミンテルの強み

ミンテルに在籍する各分野の専門家であるアナリストは、GNPDに蓄積されたデータや独自の消費者調査、外部データなどを組み合わせて、消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測を行い、レポートを執筆しています。ミンテルは常に「消費者」に焦点を当て各サービスを展開しており、「消費者が何をなぜ求めているかを探るエキスパート(Experts in what consumers want and why.)」をコーポレートスローガンとしています。

 

■株式会社Mintel Japan(ミンテルジャパン)

ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel Group」の日本法人です。専門分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独自の消費者調査や新商品情報の収集を行っております。

その独自のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。日本では主に「美容・化粧品」「食品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注力し、サービスを展開しています。

≪ご利用条件≫

情報の出典元として【ミンテルジャパンレポート 『シニアのライフスタイル 2024年』より】の明記をお願いいたします。

 

■会社概要

企業名   :株式会社ミンテルジャパン

本社所在地 :東京都千代田区丸の内二丁目4番1号 丸の内ビルディング18階

代表    :リチャード・カー

設立    :2008年03月

事業概要  :トレンドレポートの販売、市場調査、市場分析等

WEBサイト:https://japan.mintel.com/