市場全体が徐々にコロナ禍からの回復を見せる中、世界中でこの時流に合った食品・飲料開発が進んでいます。2023年3月に東京ビッグサイトで開催されたアジア最大級の食品・飲料展示会、FOODEXでも、トレンドに対応した日本の製品が多く見られました。ここではその中から、「発酵技術を利用した製品」「小麦の代替としての米」「肉の代替品」の3つのカテゴリーで見られた革新的な製品をご紹介します。

 

発酵技術を利用した製品

発酵食品は、乳酸菌や麹菌などの微生物によって、食品の持つたんぱく質や糖などが分解されている食品です。乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌が腐敗物質の増加を抑制し、腸内環境を整えることで、免疫力の向上、炎症を抑えるといった効果が期待できます。「脳腸相関」いう言葉の認知度も上がっている今、消費者は腸内環境の健康をサポートする食事に関心を寄せています。

 

「米麹+フルーツビネガー使用の甘酒」

米麹は麹菌と米を合わせたもので、発酵食品や飲料を作る際に使用されます。米に含まれるデンプンを糖に変えるため、天然の甘味料として適しています。

「すっきりあまざけ」(のレンMURO)は米麹からのナチュラルな甘みがあるドリンクで、黒酢、リンゴ酢、レモン、梅の4種類の味が楽しめます。少し酸味のある味は、飲む人を爽快にさせる効果があると言われています。

 

小麦の代替品としての米

世界の消費者の中では、これまで以上に健康志向が高まっています。米は小麦の代替食材として古くから利用されてきましたが、ここ最近米国では米粉を使用したパスタ製品が増えています。例えばFusilli rice pasta(フジッリライスパスタ)は2019-22年第1四半期からの売上が225%増加しています。

 

「Wisedaysの冷凍ヌードル」

SL Creationsの新しい冷凍食品ブランド「Wise days」は、30代の働く女性をターゲットにしています。環境にやさしく、おいしくて斬新な世界各国の鍋やスープで、毎日の賢いライフスタイルの維持をサポートするというコンセプトのもと誕生しました。製品は人工調味料不使用で、麵には元来グルテンフリーである春雨を使用しています。また、容器には環境に配慮した紙素材を使用しています。

 

肉の代替品

プラントベースのタンパク質は、「健康的だからもっと多くのレストランで提供すべきだ」という意見や、「動物性の製品よりも安価であるべきだ」という意見など、消費者の意見はさまざまです。

世界的に肉の価格が上昇している中、企業は肉よりも安価な選択肢としてプラントベースフードを提供することを検討する必要があるでしょう。

 

「豆腐から作ったお肉」

多くの日本人は、子供の頃から日常的に食べてきた食品の一つとして豆腐に親しみを感じています。そのため、日本では「代替肉」よりも「豆腐」という言葉を使った商品の方が消費者に受け入れられやすいのです。例えば「ミラノ風ドリア&カポナータ」(ニップン)は、パッケージに「豆腐から作った肉」と記載し、消費者の抵抗感を無くしています。

 

「こんにゃくのリノベーション」

日本で古くより食されてきたこんにゃくは、「お腹のお掃除役」として知られる食物繊維が豊富な食品です。

こんにゃくメーカーの北毛久呂保は、ブラックペッパー味とスパイシービーフ味のこんにゃくジャーキー、「かみかみこんにゃく」を販売しており、低カロリーで食物繊維が豊富な点を訴求しています。