飲食物に変革をもたらす原材料として藻類が注目を集めていることは、野菜中心の食生活への移行過程において節目となる出来事です。

栄養満点の藻類

近年、藻類は機能性食品として注目されています。その栄養素は、野菜中心の食事を望む消費者のニーズに驚くほど合致しています。種によって違いはあるものの、藻類は一般的にミネラルとビタミンが多く、食物繊維や多価不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます(オメガ3とオメガ6)。

持続可能な藻類

さらに藻類は、動物や人間にとって持続可能な食糧と考えられています。この植物は、世界のほぼ全ての生態系に存在しており、小麦や大麦など多くの伝統的作物に比べてかなり短期間で生育します。種によっては、淡水すら必要とせず、塩分があっても繁茂するものもあります。これは、新鮮な飲料水を大量に使う伝統的農業に比べると、とてつもない強みです。

ヨーロッパで人気が高まる藻類

アジアでは定着していますが、西洋の市場では、人体のエネルギー源としての藻類の使用はまだ初期段階です。しかし、藻類を含む食品や飲料の新商品のシェアはここ2、3年で拡大しており、2012年10月から2013年9月には0.6%だったのが、2016年10月から2017年9月には1.4%に増加しています。このような新製品の3分の2を占めるのが微小藻類のラセン藻ですが、これは、天然食用色素として使用されることが多いためです。

用途の広い藻類

藻類は、飲食物全体でスーパーフードとして人気を博しており、基礎原料としても、高級な新製品の香料としても使用されています。その緑色の天然色素は、ケールやカモジグサなど文字通り「緑色」の植物と同様に、健康的なイメージを与えたり、強めたりするのに利用されています。スムージーなどにぴったりである一方、香り付きの飲料水や酒類など、他の飲料でも使用されています。さらにヨーロッパでは、藻類系のハンバーガー、ステーキ、ソーセージなどの新製品の発売が徐々に勢いを増しています。

Seamore I Sea Pasta(オランダ):アイルランドのコネマラ産のこの野性的な有機海藻は、手で摘んで乾燥させています。タリアテッレのような形状で、低炭水化物、低カロリー、グルテンフリー、「シーステーナブル(海中で持続可能)」であり、完全菜食主義者の味方でもあり、パスタの代用品として使用されています。

Seamore I Sea Bacon Wild Organic Seaweed Bacon(オランダ):この乾燥させた有機海藻は、ベーコンの代用品として販売されています。カリカリした塩味の燻製風味の食品と合うものであれば、この海藻を代用できます。

Kulau Organic Seaweed Crisps with Sweet Paprika(ドイツ):乾燥させたノンフライのこの海藻チップスは、当然ながらヨウ素が豊富であり、食物繊維が多く、グルテンフリーです。製造企業によれば、この海藻は、ガリシア地方沿岸の小さな製造業者が手で慎重に摘み取ったものです。

Essentially Seaweed and Vegetable Crunch Salad(ノルウェー):企業オリジナルの革新的なインスタントサラダと称しているこの製品には、玄米、ヒラマメ、海藻、生姜、カシューナッツが含まれています。

Albert Heijn Delicata Yuzu and Seaweed Milk Chocolate Tablet(オランダ):製造企業によれば、この板チョコレートには斬新な香料が使用されています。予想できないその原材料は、チョコレートファンの味覚に挑戦し、舌をうならせます。

Smart Chimp Coconut Flavoured Spirulina Antioxidant Water(フランス):この香り付き飲料水が青いのは、新鮮なラセン藻の天然色素によるものです。この青い微小藻類は、酸化ストレス効果の減少を促します。

Crafty Distillery Hills & Harbour Gin(イギリス):このジンは、ノーブルモミの葉とヒバマタ科の海藻を含んでおり、その他9種類の植物との配合によって、複雑かつ爽快な味に仕上がっています。

Hohes C Hoch2 Strengthen Yourself Smoothie with Apple, Kiwi, Avocado, Chlorella Algae and Spinach(ドイツ):フルーツジュース、野菜ピューレ、緑藻のクロレラを混ぜ合わせたこの製品には、神経系統をサポートするビタミンB12と、免疫システムを強化し疲労や倦怠感に効果があるビタミンCが含まれています。