注⽬はZ世代男性と家族みんなで使⽤するシェア美容。

イギリス、ロンドンに本社を置く⼤⼿市場調査会社「Mintel    Group」(ミンテルグループ)の⽇本法⼈「株式会社Mintel Japan(ミンテルジャパン)」(東京:千代⽥区)は、2024年1⽉17⽇(⽔)から3⽇間に渡り開催されたCOSME   Week【東京】2024に出展し、1⽇⽬にアナリストの河端⾹織が「独⾃路線を歩む⽇本のジェンダーレスビューティー/消費者の声から世界と⽇本の違いを明らかにする!」と題したプレゼンテーションを⾏いました。本講演では、ミンテルジャパンレポート「ジェンダーレスビューティー」を取り上げ、世界と⽇本のジェンダーレスコスメを社会背景の違いから説明し、国内外の製品例を取り上げながら、ミンテル世界新商品データベース(GNPD)および消費者データを基に、⽇本におけるビジネスチャンスを解説しました。

取り上げたトピック

  • ⽇本のSDGs達成⽬標における課題とジェンダーギャップ指数の低さ
  • ジェンダーレスコスメで男性が表現したいのは、「男性らしさ」
  • ⽇本におけるジェンダーレスコスメ:家族全員にやさしい商品をみんなで使⽤する「シェア美容」

河端はまずはじめに、世界で⽐率を⾼めつつあるジェンダーレスコスメ新製品のBPC(ビューティー& パーソナルケア)新製品に占める割合を、ミンテル世界新商品データベース(GNPD:Global New Products Database)から抽出したデータを基に解説しました。現在は男女共通コスメの割合はどこの国でも少ないものの、「フレグランス製品」で増えていることを⽰し、今後の別カテゴリーの製品でも伸びしろがあるのではないかと⽰唆しました。

続いて、世界と⽇本のジェンダーレスビューティーを語るうえでの⼀番の違いとして、背景にある「多様性」訴求とそれを⽀える思想や社会、イデオロギーについて触れました。これは特に欧⽶社会に顕著で、BPCブランドの広告コミュニケーションには男⼥や中性的なモデルが登場しています。

また、多様性に配慮する海外のジェンダーレスコスメには、「誰にとっても使いやすい」というコンセプトがあるとし、製品例として、「19歳から99歳まで使える」がコンセプトの⽶国のメイクアップブラ ンド「19/99」のマルチユースペンシルなどを紹介しました。

次に河端は、⽇本市場における「ジェンダーレス」の意識について解説し、⽇本ではジェンダーレスビ ューティーに「社会的思想・イデオロギーはない」としました。そもそも⽇本ではジェンダーレスコスメの認知度⾃体が低く、2023年にミンテルが⾏った調査では、56%の⼈が「聞いたことがない」と回答。この背景にある⽇本の事情を説明するため、河端はSDGs(Sustainable Development Goalsー持続可能な開発⽬標)における「⽬標5:ジェンダー平等」や「⽇本のジェンダーギャップ指数」についても触れました。

「SDGsの評価項⽬であるジェンダー平等で⽇本は低評価を受けており、また、ジェンダーギャップ指数は先進国の中でも最低レベルです。こういったことから⾒てもジェンダー平等は、⽇本で率先して取り組むべき課題であると⾔えます。しかし、ミンテルが⾏った調査によると⽇本でジェンダー平等に関⼼のある⼈はわずか20%。すぐに消費者の意識に変⾰が起きるとは思えない状況です。⽇本では、社会的思想の観点からジェンダーレスという⾔葉は響かないと⾔ってよいでしょう。」

「⽇本のジェンダーギャップ指数は0.650、146ヵ国中116位。韓国や中国よりも低い数値。世界経済フォーラム(WEF)Gender Gap Report 2022に基づき、ミンテルにて作成した図」

⽇本⼈のジェンダーレスに対する⼀般的な消費者意識や社会背景を踏まえ、河端は次にBPC製品に対する消費者調査のデータを提⽰し、「⽇本では男⼥ともにBPC製品で表現したいのは、男性らしさ・⼥性らしさである」とし、「ジェンダーレス」という⾔葉にはやや否定的であるとしました。

最後のセクションで河端は⽇本におけるジェンダーレスコスメの⽅向性を2つ⽰し、ミンテルの⾏った消費者調査の結果を⽰しながら、プレゼンテーションを締めくくりました。

「ジェンダーレスコスメの認知度は⼥性の⽅が⾼く、若い年齢層ほど⾼い傾向です。しかし、使⽤意向    では男性の⽅が⾼い傾向にあり、更に若い年齢層ほど⾼いという結果が出ています。男性の18〜29歳の 何らかのジェンダーレスコスメを使⽤してみたいと意向のある⼈は71%。⼥性で最も使⽤意向が⾼いの   も18〜29歳(58%)ですが、男性には及びません。こういったデータから、ジェンダーレスコスメはZ世代の男性をターゲットにすると良いことが読み取れます。」

河端は、「しかし、ここまで⾒てきたデータを踏まえると、このZ世代の男性消費者とのコミュニケーシ ョンにおいても、ジェンダーレスであることを謳うのは効果的ではないでしょう。⽇本流のジェンダー    レスコスメにおいては、あえてジェンダーレスという⾔葉は使⽤しない⽅が効果的であると考えます。」とし、メジャーリーガーの⼤⾕選⼿を起⽤し、男性らしさの表現を保持したことで成功した、コスメ デコルテの製品を例として挙げました。

河端:「パートナーとシェアできるジェンダーレスコスメは、⼥性にとっても魅⼒的である、とミンテルの消費者調査の結果から出ています。こういったデータから⾔えることは、⽇本では家族に注⽬し、家族全員で使⽤できるシェア美容にジェンダーレス製品の開発の余地があるのではないかということです。」

【家族をターゲットにしたBPC製品の例ー家族みんなで使える⽇焼け⽌め】

本講演では、こちらのプレスリリースでご紹介している他にも、世界と⽇本の消費者調査の結果から、⽇本とそれ以外の地域におけるジェンダーレスコスメ製品開発の⽅向性をさらに詳しく解説しています。本講演内容に関するお問い合わせやアナリストへの取材のお申し込みは「メディア関係者限定公開情 報」にございますお問い合わせ先までお願いいたします。

 

プレゼンテーション資料のダウンロードはこちら

https://japan.mintel.com/genderless-beauty-cosme-week-2024

 

本講演の基となるデータを収録する、ミンテルジャパンレポートについて詳しく知りたい⽅は以下より お問い合わせください。

「ミンテルジャパンレポート」2024年カタログのダウンロードおよびお問い合わせ先

https://japan.m intel.com/nihon-repoto

【COSME Week Tokyo 2024:ミンテルブース】

 

 

【ミンテルジャパンについて】

ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く⼤⼿市場調査会社「Mintel Group」の⽇本法⼈です。専⾨分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独⾃の消費者調査や新商品情報の収集を⾏っております。

その独⾃のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。⽇本では主に「美容・化粧品」「⾷品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注⼒し、サービスを展開しています。

株式会社ミンテルジャパンのプレスリリース⼀覧

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/72766

 

【お問い合わせ先】

株式会社 ミンテル ジャパン

〒100-6318 東京都千代⽥区丸の内⼆丁⽬4番1号 丸の内ビルディング18階

Email: infojapan@mintel.com